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2007年4月21日 (土)

『無敵看板娘』に愛を!

 マンネリ気味になってきたな、と思ったら、その都度、テコ入れに新キャラを投入すればいい。商店街の他の店の看板娘を、新たなライバルとして登場させるのが一番手っ取り早い。
 まだまだ語られていない、ファンも読んでみたいと思っているエピソードも、たくさんあったはずだ。例えば、美輝ちゃんのお父さんはどんな人だったのかとか、めぐめぐや太田や勘九郎の家族はどうなっているのかとか、美輝ちゃんの中・高校生時代の話とか。
 意味の無い仮定だとわかっているが、もし、『無敵看板娘』のキャラと設定を、他誌のマンガ家と編集者に渡せば、もっともっと戦略的に、あざとく展開して、商業的にも相当成功できたのではないか、と、そんなコトを想像してしまう。
 そんな調子でうまいコト転がしていって、5年が10年、15年と続いていったら、もしかしたら、『無敵看板娘』は、例えば『クレヨンしんちゃん』みたいな存在にだってなれたかもしれない。
 でも、佐渡川先生はそうしなかった。

 以前から感じていたコトですが、佐渡川先生は、「コレ以上にあざといコトはやらない。コレだけの材料で展開できなくなったら、その時は潔く終わらせよう」と、自分の中で決めていたような気がする。
 あえて、キャラやエピソードに限界線を引いていたとでも言ったらいいのか。
 むやみに新キャラを出さない。
 ストーリーをやたらに広げない。
 絶対にパンツは見せない。
 ある程度の節度を持って創作して、ソレが行き詰ればその作品はソコまでの命だったのだ、と最初から決めていたんではないだろうか。
 創作の上で、思い通りに出来ないコトだって多かったのではないかと思うが、編集側も、佐渡川先生のそういう姿勢については、ある程度理解してくれてきたのではないか、とも思う。
 以上は私の勝手な推測ですが、でも、そんなに間違っていないんでは、という気がするんです。どうでしょうね。

 自分で課したその限界枠の中で、常に全力投球。
 毎週、『無敵看板娘』を読んで泣き笑いする一方で、「佐渡川先生って、真面目な人だなあ。」と、そのストイックな創作態度に感じ入っていました。
 他のマンガみたいに、もっと戦略的にやろうと思えば、やりようはいくらでもあるのに、と。
 しかし、そういう姿勢で描かれてきたこそ、『無敵看板娘』はこれだけ愛されてきたのではないか。
 自分の資質に忠実に、そして、自分が生んだキャラクターを大事にする、と言う点で、佐渡川先生は非常に誠実なマンガ家だと思う。

 商業的な意味で問題がなかった以上、『無敵看板娘』の終了は、佐渡川先生の創作上のケジメ、として了解するしかないのでしょう。
 だけど、
 残念です。本当に残念です。
 せめて、願わくば、
 佐渡川先生の次回作が、再びチャンピオン誌上で読めますように。
 そして、その次回作が、『無敵看板娘』みたいな作品になるか、それとも全く違う傾向の作品になるか、いずれにしても、佐渡川先生の意思が強く尊重された作品として生まれてきますように。

 ご本人に届くはずもないこんな所で言ってもしゃーないコトかもしれませんが、
 5年間、お疲れ様でした。
 そして、素敵な作品を、本当にありがとうございました。

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 あと1週あります。
 今はもう、最終回の『無敵看板娘』が、今までで一番素敵な回であるコトを期待するだけです。

 『無敵看板娘』が終わった後の週刊少年チャンピオンを、購読し続けられるか、今は正直微妙な気分です。

 これから、何年経っても、「一番好きなマンガは?」と訊かれれば、迷わず『無敵看板娘』と答えると思います。
 無印と『N』のコミックスが並んでいる本棚のソコは、いつまでも、私にとって、「特別な場所」であり続けると思います。

 だけど、
 いつの日かわからない、でも、
 今はまだこの世に現れていない、とても素敵な作品が、その時、私にとって「一番好きなマンガ」になっているかもしれません。
 そうでなきゃ嘘だろう、と思います。
 でなきゃ、これからもマンガを読み続ける意味も無い。

 ただ、
 その時、その「一番好きなマンガ」が、佐渡川先生の作品だといい、と、そう思います。
 そして、「二番目に好きなマンガは?」と訊かれたら、
 「やっぱり『無敵看板娘』!」と答えるコトが出来たら、
 幸せだと思います。

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コメント

ここ数回の内容からいってもしかしたらそろそろ終わりかなと思っていましたが本当に終わるとは…
私もPAN太さんと同じ気持ちで頭が真っ白になりなんかもうほんとにいろいろなことにやる気が出なくなってしまいました。

無敵看板娘を繰り返し何度も読んでいると佐渡川先生の漫画に対する真剣さやこだわりがひしひしと感じられ「ああ…いい漫画だな」と楽しく読むことができました。
その真剣さがあったからこそ五年間連載をしアニメ化まで果たすことができたのだと思います。
そしてその漫画でのあとがきやラジオでの会話の内容から佐渡川先生の人となりが伝わってきて素晴らしい漫画家なんだなと読むごとに改めて感じさせられます。

終わってしまうのは非常に残念ですが無敵看板娘がなくなるわけではないのでずっと読んでいこうと思います。
そして佐渡川先生や先生のような素晴らしい漫画家がチャンピオン誌に現れるのを期待してずっとまっていこうと思います。

投稿: たなポン | 2007年4月22日 (日) 02時23分

 たなポンさんがおっしゃるとおり、連載が終わっても、「『無敵看板娘』がなくなるわけではない」んですよね。…実は、アレ以来、単行本を毎日読み返しています。今まで何回も読んできたエピソードなのに、今の精神状態で読むと、ギャグシーンでも泣けてきそうで自分が嫌。コレでもだいぶ回復してきたつもりだったんですけどねー…。
 やせがまんで言ってるんですけど、お互い元気出していきましょう!ヘコんだりうなだれたりしてたら、美輝ちゃんに笑われそうだし(<なんか小学生みたいなコト言ってしまってますが)。
 これからのチャンピオンがどうなるのか(あるいは、私たちが『無敵看板娘』抜きのチャンピオンをどのように受け留めるコトが出来るのか)わかりませんが、「佐渡川先生や先生のような素晴らしい漫画家」が活躍するにふさわしいステージであって欲しいですね。
 

投稿: PAN太 | 2007年4月22日 (日) 23時19分

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