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2007年11月 9日 (金)

少年チャンピオン50号

 こういうのを「ギャップ萌え」とか呼ぶんだろうか…

 空さんがココ数週で別人のようにデレてしまって、怖い!
 「喫煙を注意した男子の顔面にガチエルボーをお見舞いする」と言う、あの暗黒キャラが、ドコをどうしたらこんなんになってしまうのか…。
 「恋してるから」?ハァ?
 お嬢はなぁ、「愛」だの「恋」だのさえずるようなタマじゃねえんだよ!…そう思っていたんだよ…そう思っていたのに…
 なんか、今まで騙されていたような気分だ…。 
 Sora_nikki  
 ↑ らくがき 『ストライプブルー』の空さん
 こんな表情していても、彼女はなんか信用出来ない!
 今後、ナニかきっかけさえあれば、またブラック空さんにスイッチするに決まってますが、とりあえず、このヒロインは、全然安心して見ていられません。
 そして、なんやかや言いながら、私、実は「お嬢派」です!(「空さん派」では無いコトに注意!)

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 ピクルの「野性」を表現するために、なぜ「衆人環視の中でのレイプ」と言うエピソードを選択しなければならなかったのか。
 単純に、ソレが最も直截的に「野性」を表現できるから、と言う考えがあったのでしょうね。そして、「だったら、ナニを遠慮するコトがある?表現したいコトを、最も効果的に訴求出来る演出がソコにあるのなら、ためらわずに描くべきだ」とか言いそうな気がするんですよねえ…板垣先生の場合。
 しかし、曲がりなりにも週刊少年チャンピオンは「少年誌」。どんだけ規制がユルいんだ、と、改めて秋田書店の「懐の深さ」を痛感させられましたよ…。
 あの時、板垣先生には、「レイプ」という行為を肯定的に描こうなどと言う意図は微塵も無かった、と思いますが、しかし、私は不快感を拭えませんでした。
 ピクルと言う異生物にレイプされた女性の「苦痛」や「屈辱」が全く描かれていなかったからだ、と思います。そんなモノを描くのが目的ではなかったし、そんな描写を挿入したトコロでストーリー進行の邪魔になるだけでしょう。しかし、だったら、「レイプ」などではなく、もっと別のエピソードで表現するべきだった、と思います。
 マンガを「倫理観」や「意志」で読むのは正しくないかもしれませんが、「演出」のために「そこに存在するはずの、人間の苦痛や屈辱」に対して知らん顔をすると言う創作姿勢には、全く共感できません。

 のんき暮らしで日々を塗り潰している私たちには、見えないし、聞こえないかもしれないけれども、この世界のどこかでは、理不尽や横暴に傷つき、泣いている人々が確実に存在しています。
 差別、貧困、詐欺、強盗、殺人、レイプ。極端な場合、たとえば戦争ともなれば、それらすべてが日常化してしまいます。
 「人生はよいものだ」などと夢にも思えない、そんな傷を背負ってしまった人たち。

 私たちとは違う人生を生きている、そう言う人たちの傷を見るコトは、つらい。
 誰にとっても愉快なハナシではない。
 しかし、私たちは、目をそむけず見るべきだ、と思います。
 彼らは決して私たちとは無縁の人間ではない、と思うのなら。

 というわけで、またしても『殺戮姫』です。

 …予想通りです。
 みさき先生、やっちゃいました。

 賛否両論、のうち、おそらく「否」の方が多いんではないか、と予想される鬼畜描写。

 しかし、先のピクルの場合と違って、『殺戮姫』の場合、そこに被害者の「痛み」と、それに感応する王士の「苦痛」が、確かに描かれている、と思うのです。

 マンガなんかよりも、現実に行われている行為の方が、はるかに残虐です。
 私たちの住んでいるこの世界のそこここには、度し難い「悪」が確実に存在し、癒し難い傷から今でも血を流し続けている人たちがいる。
 『殺戮姫』は、「そのこと」を忘れるな、と言おうとしているような気がしてならないのです。
 そんなネガなテーマを、よりによって少年向け(?)マンガで描く必然があるのか、と思う方もいるかもしれません。
 そんなモノをわざわざマンガで再確認したくない、と言う方もいるかもしれません。
 うっかりすると、『殺戮姫』は、「残虐のための残虐描写」しかないマンガ、と言う評価しか残らないかもしれません。

 読者みんなが納得のいく結末なんか、期待できない作品だと思います。
 この作品は、私たちに「悪」と「傷」を見せつけて、心に刺さって一生抜けない棘を刺すため、ただそれだけのために描かれているような気がしてなりません。

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コメント

>この作品は、私たちに「悪」と「傷」を見せつけて、心に刺さって一生抜けない棘を刺すため、ただそれだけのために描かれているような気がしてなりません。

まさにそれだと思いますね。と言うか久々にトラウマになりそうな話でした。1話ももちろんそうですが。


私的な考えだとむしろピクルの方がストーリーとして魅せる分にはレイプの使い方は一般的だとは思いますけど。(というかピクルは全部やっちゃってはないっぽいしそこらへんのぼやかし方はうまいかなと思ったし。)

被害者の「痛み」と、第三者が感じる「苦痛」を表現する分には問題ないのですが、その解決法が加害者を殺すしかないと言う所に私は疑問を抱かずに居られません。(来週白雪が止めそうな気がしますけど)
何かを表現したいんだろうけど作者の本音はこの漫画から伝わってこないとしか若輩者な私では言えないですけど。

人間には悪い奴が一杯いるんだだから悪い奴は殺してもいいんだと言いたいのか、残虐も愛も人間のあり方だと言いたいのか考えれば考えるほどネガティブスパイラルに巻き込まれてしまいそうです。

投稿: ナン♪ | 2007年11月 9日 (金) 22時59分

 わー!今さっきナン♪さんのとこにコメント入れてきたとこなのに、今頃になって、先にこっちにコメントをいただいてたのに気がつきました。俺ってばか…。

 来週号で、私が予想しうる最悪の展開は、「封印されていた華恋さんの記憶が戻ってしまう」と言うパターン。みさき先生ならそれくらいやる。と言うか、まさに、ソコから先に、みさき先生が本当に描きたいモノがあるように思えてならないのです、私には。

 このマンガって、絶対に「勧善懲悪」じゃないし、「なにがしかの解決を描こう」、なんて考えてるわけじゃないと思うんですよね…。
 このマンガのテーマなり描写なりが「残酷」に見えるのなら、私たちの生きている現実のこの世界だって、負けず劣らず残酷だと思います。つか、実は話は逆で、『殺戮姫』は現実にある「残酷」の一部分を映し出している鏡に過ぎないのではないのか、と。あとは、「ソレをわざわざ少年マンガで描く必然」を、読み手に伝えるコトが出来るかどうか、ですが…。

 ぶっちゃけ、正しくなくってもスジが通らなくってもイイんですよ、このマンガは。最初から、そんなのどうでもイイと思ってるんですから、絶対。
 むちゃくちゃ乱暴な決め付けかもしれませんが、みさき速先生は「倫理観」とか「社会的通念」とかに、あまり価値を認めていないタイプの方だと思います。
 白状すると、私自身、そう言う考え方にはかなり惹かれるタイプの人間です。

 多分、みさき先生は「悪い人間は殺してもイイ」なんて考えてないと思いますよ。作者自身がそんなふうに「割り切った考え」に立っていないからこそ、流の殺人にみんなイマイチ感情移入できないのです。
 良い、とか、悪い、とか、そう言う「善悪理非」の評価を主人公に与えようとはさらさら思っていないんじゃないか、と。
 そんなモノを超えて、例えば、
 流がこの先どれだけ人間を殺し続けようと、王士はそれでも(義務感や使命感だけでなしに)彼女の手を握っていてあげられるのか?いつまでも彼女の傍にいてあげられるのか?彼女のコトを好きでいられるのか?
 私には、そっちの方がよっぽど大事だと思えてならないんですよ…。

 『殺戮姫』についての感想をWeb上でイロイロ読んでいますが、面白いコトに、男性が書いた感想は否定的な意見が多く、女性が書いた感想は逆に好意的な内容が多いんですよ。この差は一体なんなんだろう、と、考え込んでしまいました。彼女たちには、男子には見えてないモノが見えているような気がしてなりませんねえ…。 

投稿: PAN太 | 2007年11月11日 (日) 00時58分

 …自分で書いといて、このまんまだと変なトコロを発見したので追記。
 
 『「倫理観」にも「社会的通念」にもあまり重きをおいていないんじゃないか』のように見えるみさき先生に対しては好意的に書いておいて、板垣先生のアレはなんでダメなのか。

 レイプ行為のその先を描く「覚悟」も「必然」も無いのに、その演出を選択した、その安直さが納得いかないのです、どうしても…。
 「犬にかまれたと思って」と言う言い回しがありますよね。ピクルは「現代人のモラルとかが通用しない存在」と言うコトですが、んじゃーナニかい、あのお姉さんは人外の、例えば犬や馬にレイプされたようなモンなのかい、と。二重三重に人をバカにしている。この作者は「レイプ神話」に毒されているんじゃないか、とまで勘繰りそうになりましたもん。
 『殺戮姫』の残酷描写について、「ソコまで踏み込まなくても、もっと別の演出があるのではないか」と言う意見も存在するみたいですが、だったら、板垣先生についても同じ言葉を投げて欲しいなあ。過剰反応し過ぎ、と笑われるかもしれませんが、私には、板垣作品の方がある意味よっぽど残酷に見えるんですが。

投稿: PAN太 | 2007年11月11日 (日) 01時35分

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