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2008年2月13日 (水)

『パニッシャー』第1話感想

 「剣と魔法」が支配する時代。
 運命を切り拓く主人公。
 彼が立つ場所を地軸にして、回転を始める世界。
 素晴らしき哉、「ヒロイック・ファンタジー」。

 ああ、だけど、私は昔っから、「ヒロイック・ファンタジー」が超苦手なヒトなのです。

 「センス・オブ・ワンダー」とか言うやつが、私には決定的に欠けているのかもしれません。
 ゲームの類を全然やらずに成長したのも原因かもしれません。現代日本にありながら、『ドラゴンクエスト』も『ファイナルファンタジー』もやったコトが無いまま大人になったと言うのは、ある意味、貴重な存在なのかも。

 「異世界」を舞台にするからには、私達のリアルな世界の「ソレ」とは異なる「価値観」を提示しなければならないでしょう。その「価値観」や「異世界の風景」に、驚いたり感動したりする感受性を「センス・オブ・ワンダー」と呼ぶのでしょうね。
 そして、主人公は、その世界を支配する「価値観」と衝突しながら「状況」を切り拓き、世界は主人公の「成長」に感応するかのように「風景」を変えてゆく。
 「ヒロイック・ファンタジー」と言うジャンルは、多くの場合、「ビルドゥングスロマン」の側面を持ち、時には「世界を革新」してみせるコトすらある、と思います。

 こうして文字にしてみると、たいそう魅力的なジャンルに思えるのに、実際には、どうして私は「ヒロイック・ファンタジー」がダメなのか。
 自分でも、いまだに答えは見つかっていません。

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 これほど熱望され、期待された新連載は、最近では珍しいと思います。

 『パニッシャー』第1話は、佐渡川先生の持ち味のコミカルさと、『無敵看板娘』にはない「シリアスな輝き」が光る、「巨編」の導入部にふさわしい内容でした。
 この作品の「世界」を支配する「価値観」がどのようなモノなのか。そして、主人公アルトの「信念」や「意志」が、今後、その「価値観」とどのように衝突していくコトになるのか。そのへんは第2話以降にさらに詳しく描かれていくコトでしょう。

 船上での場面──アルトと少女のやりとりの部分。
 アルトの純で不器用なやさしさと、「少女」の愛らしさ・お茶目さに、私、一発でヤラれてしまいました。
 この二人は、ヒーロー・ヒロインの資格充分な、魅力的なキャラクターです。コレから、この二人の「泣いたり笑ったり」から、もう目が離せません。
 そう思わせたら、もう、作者の勝ちでしょう。佐渡川先生、上手いなあ…。

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 「主のお恵みに感謝します」と言った祈りの言葉があります。
 私は、ソレを聞いて、「そうじゃねえだろう」と思ってしまう種類の人間です。
 恵まれたのではない。奪ってきたのだ、と。
 目の前の誰かから直接にではないとしても、どこかの誰かのモノを奪ってきて、今、私達の目の前にあるのだ、と。
 誤魔化すんじゃねえ。隠すんじゃねえよ、と思ってしまう。

 アルトの台詞──「今日明日を生き抜くために殺生した僕は罰をうけるのか…?」
 私は、この台詞に、思いっきり心が揺れてしまいました。
 もしかすると、『パニッシャー』と言う物語の主旋律なのかもしれないこの言葉に、心がざわめきます。
 アルトが抱える「おののき」は、私達が生きている「この世界」と無縁のステージのモノではない、と思えてならないのです。
 
 「ヒロイック・ファンタジー」と言う、私にとっての「鬼門」ジャンルですが、今、全く不安はありません。
 贔屓や行きがかり抜きで、すでに『パニッシャー』は、現在連載中のマンガで一番好きな作品です。
 まだ先行きは全く読めず、アルトと「少女」の物語は、今始まったばかりですが、チャーミングで、シリアスな輝きに溢れた作品になるはずだ、と信じています。
 そして、何故、私は今まで「ヒロイック・ファンタジー」がダメだったのか。その謎も、『パニッシャー』との出会いによって、必ず解けるはずだ、とも。

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