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2008年5月 7日 (水)

『豚か狼か』&『秋田で始まり、秋田で終わる』合同クロスレビュー感想

  

第1回/IT'S ONLY ROCK'N' ROLL

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 漫画如きにそんな熱入れるんじゃねぇよって?

 私は漫画があるから今まで生きてこれたような人間ですから。
 命の恩人は軽んじられないなぁw

 この言葉に触れて、小一時間ばかり、感動でアッチの世界に行ったきりになってしまいました、PAN太です。

 マンガを愛するすべての人が、この言葉に涙した、と思いたい。
 振り返ってみれば、私自身、マンガがなければ昼も夜も明けない子供だった。
 私にとってのマンガは、良い意味での「現実逃避の手段」であった。「マンガがなければ本当にひとりぼっちになってしまう」、そんな子供だったのだ。

 イイ年齢になった今でも、マンガを読むのはやめられない。

 「たかがマンガ」と言う人もいるだろう。
 その通り。たかがマンガ、である。
 しかし、そのマンガを読むコトを「人生のオアシス」のようにとらえ、マンガについて語りだしたら会社も社会も二の次三の次、となってしまう、「マンガ馬鹿(命名・宇都宮勇さん)」ともいうべき種類の人間が、この世にはいるのである。
 大山倍達の台詞ではないが、私はバカになりたいのだ。

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 俺がもし 心の奥深いところをえぐり出して見せて
 ページの上に 感情のありったけをぶちまけて見せたなら
 お前たちは満足か?
 お前たちは戸惑うか?
 お前たちは あのガキはイカれてると思うだけかい?
 あいつはどうかしている、狂っているって思うかい?

 わかってるって
 こいつはたかがロックン・ロール
 だけど 俺はこいつが大好きなんだ

 ローリング・ストーンズの『IT'S ONLY ROCK'N' ROLL』の有名な一節である。
 「たかがロックン・ロール、されどロックン・ロール」。TOM☆CATの『ふられ気分でROCK'N' ROLL』にも引用されたこのフレーズ。
 当然だが、ココで「たかが」と言うのは、強烈な反語として理解されなければならない。
 ストーンズは、自分たちが演奏している音楽が、「日替わり壁紙」や「イベントのBGM」や「自分探しのための応援歌」のように、「安く感動され、あっという間に消費され、いつか懐古される」だけの存在ではない、と確信している。

 私は、他のマンガ読みの人が語る、「たかがマンガ、されどマンガ」と言う言葉を聞きたい。
 ほとんどの人間にとっては、読み捨ての娯楽のはずのマンガから、その人は一体ナニを受け取ったのか、聞いてみたい、と思うのだ。 

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 「漫キチ(命名・人面犬さん)」、あるいは「プロの漫画読み」と呼ばれる人たちの存在をご存知だろうか。
 いずれも、マンガを愛するコトでは人後に落ちない、愛すべきマンガ馬鹿───「翼なき野郎ども」に対する敬愛の念を込めた呼称である。

 「漫キチ」と呼ばれるには、マンガに対する「理」・「知」・「情」・「意」において、すぐれたトコロがある、と認定されなければならない、とされている。
 「理」とは、マンガを語る際ににじみでてしまって隠せない、その人の「マンガ観」、「価値観」、を言う。
 「知」とは、常人が聞けばドン引きしかねない、マンガに対する知識、あるいは、膨大なマンガ読書の経験値。
 「情」とは、マンガに対する情熱。初期衝動。どれだけ強く、深く、マンガと言うメディアを愛しているか。
 そして「意」。マンガを取り巻くモロモロの状況をどのようにか認識し、「ありうべきマンガ像」とでも言うべきヴィジョンを自分なりに幻視しようとする、意志(意思)の力を指す。

 この「漫キチ4大要素」のうち、いずれかにおいて、既存の「漫キチ王」から「見所あり」と認められた者が、晴れて、「漫キチ王」の星座に列する光栄に浴するコトが出来るのである。

 参考知識として、最近、この「漫キチ4大要素」に、第5の要素として「萌」を加えるべき、と言う前衛的な意見も存在するコトを付記しておきたい。第3の要素「情」とラップする部分が大きいので、ソレはどうか、と言う意見が大勢を占めているが、予断を許さない情況である。

 マンガ読みの世界における「漫キチ王」とは、中国拳法界における「海王」に相当すると思って、ほぼ間違いない。
 日本には、現在のところ、36人(2人説から256人説まで諸説ある)の漫キチ王が存在すると言われており、形式上の認定こそまだ受けてはいないが、すでに漫キチ王と同じ文脈で語られている「漫キチ」が72人(1人説から1024人説まで以下略)控えている、と言う噂もある。
 私が確認できているだけで、少なくとも千葉、北関東、東北、関西、他、日本各地に、各地域に若干名ずつの漫キチ王が存在している。
 公けに自称してはいないが、普段はゴッドファーザーのように善良な市井人に身をやつしている漫キチ王は、かなりの数に上るはずである。
 朝のゴミ出しで出会うたび、いつもにこやかに挨拶を交わしてくれるご近所の会社員が、実は漫キチ王だった、などという実例は、枚挙に暇がない。
 漫キチ王であるコトを隠して結婚したはいいが、そのコトが伴侶にバレて、両家の親族会議という大事に発展してしまった、などというのは、まだ微笑ましい部類の話である。

 以下は非公式情報だが、アジアの某国には「漫キチ四天王」や「百八(ハンドレッドエイト)漫キチ」、欧米には「ギリシア十二漫キチ」や「ブエナ・ビスタ・漫キチクラブ」などの秘密結社が存在しており、日本漫キチ界への進出を虎視眈々と狙っているそうな。
 げに恐ろしきは漫キチ道。
 漫キチ道は修羅の道。

 ちなみに、誤解の無いように言っておくが、「漫キチ」の「キチ」は、「キチ○イ」の「キチ」ではない。
 『釣りキチ三平』の「キチ」である。
 かつて、ゴールデン・タイムに放映されていたテレビアニメのタイトルである。何の不都合があろうか。
 無用の誤解を招くのがめんどくさいので、重ねて言っておく。
 「漫キチ」の「キチ」は、「キチ○イ」の「キチ」ではなく、『釣りキチ三平』の「キチ」である。だから、なんら問題はありません!

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 さて、漫キチ王たちが、あたかも梁山泊のように蝟集する、チャンピオンファンの世界。
 今回は、その多士済々のチャンピン系漫キチ界においても、とりわけ異彩を放つ二人の漫キチ王について紹介したいと思う。 

 『豚か狼か』を主催する宇都宮勇さん。そして、 

 『秋田で始まり、秋田で終わる』を主催する人面犬さん。

 かたや、問題発言王を自認する、秋田書店情熱系サイト(=『豚か狼か』)。
 かたや、濃い口を通り越してドップリの、秋田系武闘派サイト(=『秋田で始まり、秋田で終わる』)。

 先に引き合いに出したローリング・ストーンズに無理矢理当てはめれば、「チャンピオン村のグリマー・ツインズ」と呼んでみたくなるお二人である。
 この両氏の、「たかがマンガ、されどマンガ」と言うスタンスから生まれてくる、理・知・情・意がみなぎるレビューを、私は愛してやまない。

 このお二人が、先般、「合同クロスレビュー」と称して、同じマンガ作品について、同時にレビューしたのをご存知だろうか。
 未読の方は、是非、ご一読いただきたい。

 宇都宮さんのレビューは、こちらから、
 そして、人面犬さんのレビューは、こちらからご覧いただける。

 レビューの対象となった栄光ある作品は、高橋ゆたか先生の『世界一さお師な男 伊達千蔵』。

 この企画の予告を初めて目にした時、私は、軽い眩暈を覚えた。

 何故、『世界一さお師な男』なのか。
 何故、わざわざ、クロスレビューなのか。

 掲載誌が、個人的にほとんどノーチェックだったOh!スーパージャンプと言うコトもあり、この作品をしっかりと読んだ記憶があまりなかった。
 事前に予習しておこうと思い、ココで試し読みをしてみたが、どのエピソードもさわりの部分しか公開されていない。
 新古書店でも探してみたが、ドコにも見当たらない。
 作品に対する予備知識がほとんどない状態で、クロスレビューの公開を待つコトになった。

 予告通りアップされたクロスレビューを読む時、私の心の中は、戸惑い半分、怖いモノ見たさ半分で占められていた…。

                                   第1回・了(この項つづく)   

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