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2008年12月29日 (月)

世界を騙した男

 年末年始の間に、普段観ないアニメや映画を観ようと思っています。

 アニメでは、かねて観たいと思っていた『狼と香辛料』『秒速5センチメートル』『フリクリ』。

 映画では、中村3曹さんオススメの『Diary Of The Dead』、それとマーティン=スコセッシの『Shine A Light』がめっさ観たいんだが、映画館まで行けるコンディションじゃないので、DVD発売まで待ちます。
 個人的にスコセッシの作品で一番好きなのは『GoodFellas』。なんつっても、シド=ヴィシャスの『My Way』からデレク&ザ・ドミノスの『Layla』につながるエンディングがたまんねえんだよな…。と思い出してしまったら、もういけない。
 今日のへヴィー・ローテーションは、ピストルズとクラプトンに決定しました。

 でもね、

 『God Save The Queen』や『Pretty Vacant』聴いてたら、横で、が嫌がるんですよね。
 ただひと言、「うるさいわ、このバンド」ですと。
 なんでだよう。こんなにロマンチックな音が、なんでわからないんだよう。ヽ(*`ε´*)ノ

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 1978年。
 セックス・ピストルズの解散直前期。
 ジョニー=ロットン(現ジョン=ライドン)の、超有名なあの発言。





 「ロックは死んだ。」






 コレを多くの人が真に受けて、ソコからロックにとっては「出口無しの閉塞状況」が生まれたわけだ。

 アレからちょうど30年。
 その間にキャリアをスタートしたミュージシャンたちは皆、「死んだはずのロック」をあえて演奏する意味について自覚的であるコトを強制されてきた、と言える。
 1978年以降、ロックは「自明」な価値を失って、「まず対象化され、批評されてからでないと、演じるコトも聴くコトも出来ない」、と言う状況が発生して、そのまま2008年現在まで来てしまった。
 げに恐るべしはジョニー=ロットン。
 あのたったひと言で、ロックを金縛りにし、文字通りの袋小路、どん詰まりに追い込んでしまった。

 1975年というのは奇妙な年である。
 この年、アメリカでは、ブルース=スプリングスティーンの畢生の傑作『Born To Run』が生まれている。
 同年、イギリスではセックス・ピストルズが活動開始。(『Never Mind the Bollocks』は翌1976年のリリース。)

 かたや、「ロックン・ロールの未来」と謳われた男。
 かたや、「ロックは死んだ」と言い放ち、ロックにトドメを刺す運命を持って生まれたバンド。

 ロックの光と影、生と死、陽と陰、誠実と軽薄とをそれぞれ好対照に象徴するミュージシャンが、同時に世に出た、と言う意味で、ずっと長い間、私には奇妙な符合に思えてならなかったのだ。

 スプリングスティーンは、古典的なロックの属性を一身に引き受けながら、なおかつ強烈な作家性によって、ファンからの絶大な信頼を勝ち得てきた。
 彼にとっては、ロックは「自明の価値」であり、信仰と忠誠心の対象である、とすら言える。そう言う意味で、彼は「ロックそのもの」である。
 スプリングスティーンやローリング・ストーンズなどは、彼らが他者(たとえばジョニー=ロットン)から対象化される場合はあっても、彼ら自身にはわざわざロックを対象化する必要が無い。

 一方で、ピストルズ以降のミュージシャン達には、ロックに対してどうしても批評的なアプローチから入らざるを得ないと言う、歴史的状況がある。
 なにせ、一度死亡宣告を受けた音楽を、これからわざわざ演奏しようと言うのだ。
 宣告を聞かなかったフリが出来れば平和なモンだが、どっこい、音楽マスコミもリスナーも、みんな「ロックは死んだ」と言う共通認識の上で踊っている。
 「死体の上でいかに踊ってみせるか」と言う残酷なテーゼが、ミュージシャンを苛んできたのが、この30年間だったのだ。

 スプリングスティーンやストーンズたちは、自分自身が「古典的なロック的諸価値」を体現している。
 しかし、ピストルズ以降のミュージシャンたちは、「ロック的諸価値」が相殺されている前提を生きていかなければならないから、苦しい。
 だから、「ヘイル!ヘイル!ロックン・ロール(ロックン・ロール万歳)」なんて無邪気に叫ぼうものなら、「思考停止」と揶揄されたりする。
 ストーンズあたりは、「伝統芸能」とか「乗り越えられるべきダイナソー・ロック」とか目されて、後発ミュージシャンからは批判の対象になったりもした。
 「1972年の時点で解散していれば、ストーンズは伝説のバンドになれたのにね」とイアン=ブラウン、ジョン=スクワイアは語ったが、彼ら自身もストーンズ・ローゼズ解散後のソロ活動では「健闘している」と言うのが精一杯の状況だ。ストーン・ローゼズは伝説のバンドになれたかもしれないが、今年デビュー45周年を迎えたストーンズと、どちらが幸福なのか、私にはわからない。

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 でも、ちょっと待て。

 「ロックは死んだ」発言のその直後、ジョニー=ロットン自身がピストルズのラスト・ステージ上から言い放ったもうひとつの台詞を、みんな聞き落としていないか?




 「騙されてたって気がしないかい?HA!HA!HA!」




 ( メ`ω´)/ ヲイヲイヲイヲイ
 そりゃねえだろ大将!

 つまりこの30年間と言うのは、「稀代のトリック・スター」ジョニー=ロットンの最後っ屁を、みんなが真に受けて呻吟している姿を、「天才コメディアン」ジョン=ライドンが哂いながら眺めていただけ、ただソレだけだったんスか?

 「ロックは死んだ」発言を無かったコトには出来ないし、今更聞かなかったフリも出来はしない。
 だけど、「(その発言も含めて)騙されてたって気がしないかい?」と言われてみれば、音楽シーンの景色も、全然違って見えてくるような気がしないか?

 ピストルズが金の為に再々結成したのだって、結構である。大いに結構である。
 当のジョン=ライドンが、「パンクを神聖視しないでくれよ」と言っているじゃんよ。

 私の場合は、少なくとも今は、金縛りから脱して、以前より自由に音楽を聴けるような気がする。

 仮にいつの日か、ブルース=スプリングスティーンとジョン=ライドンがステージで共演するようなコトがあっても、私は驚かない。
 いや、むしろ、観てみたい。
 1975年に、全く真逆の意味でそれぞれロックの世界を震撼させた、「ロック・スター」と「トリック・スター」の夢の競演。
 何もかもが好対照なこの二人のスターが、同じ曲を一緒に演奏するシーンが、実現するコトがあるだろうか。
 その時二人は、どんな曲を演奏するのだろう。

 …案外、ABBA(アバ)の曲だったりしてね!(※ブルースもジョンもABBAの大ファンなのですだ)

 と言うわけで、今日のへヴィー・ローテーションは、ABBAに変更になりました!

 コレはオススメですよ奥さん!<誰が奥さんか
 一家に一枚、ABBAのベスト!
 ABBAを聴いてりゃ、万事オーライ!
 紅白観るくらいなら、ABBAですよ、ABBA!

 …って言ってたら、『相棒』スキーの嫁に殴られました。

 「私とした事が!(迂闊でした!)」

 撤回。

 皆さん、今年の紅白には、右京さん(水谷豊)が出演するそうです。みんなで観ましょうね!
 俺、きっと寝てるけど。

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